11/04

NZには、古い数学と新しい数学があります。

古い数学とは、ひっ算を駆使して計算をする数学。

新しい数学は、ひっ算ではなく、色んな技術を身に付けて計算する数学。
例えば「39+40=40+40-1=80-1=79」といった具合に計算する方法です。
これは簡単なやつなのでいいのですが、そうでない数字同士の計算は、それなりのテクニックがいります。
これらはNumeracy projectという怪しげなプロジェクトに沿って、この計算方法は子供たちに教えられています。

この新しい数学では、ひっ算は悪で、細かい技術を身に付けてよりスマートに計算する方法が正義なんです。

悪と正義という表現をしましたが、NZの先生たちの理解は、本当にそういった視点でものをとらえている人が多いんです。特に若い世代の先生に。
新しい数学に教育はシフトしていかなければいけない、と信じ切っています。
なので、僕がひっ算を生徒に教えていると、大概NZの小学校や中学校の先生には苦い顔をされます。

でもね、でもですよ、学問の性質から言って、新しい数学と古い数学、この2つに数学を分けている事自体が大間違いなんです。

数学は、世の中の真理を問う学問なんです。
1+1=2になること、これは紀元前から全く変わっていません。
つまり、数学に間違った過去の考え方はあっても、古い数学と新しい数学が存在すること自体あり得ないんです。

ひっ算は、歴史的な天才たちの計算ツールでした。
一見古く見える方法に見えますが、かなり完成された技術なんですよね。
代数大好きな民族のインド人が開発した方法で、ひっ算さえあれば、たとえ2桁だろうが4桁だろうが1つの技術で解けちゃうんです。

一方それを否定して、導入された計算方法は、2桁の計算だけでなん通りもの技術を身に付けなければなりません
先生方も覚えるのが大変なほど。
で、何通りもの技術をやっと覚えてできるのは、2桁の計算だけなんです
もちろんそれは足し算だけでなく、引き算、掛け算、割り算にも新しい技術があります。
それを体得するには、小学校の勉強だけでは足りず、結局中学校でも2桁の四則演算の勉強をしなければならないことになります。
なので、中学2年で、少数、分数、パーセント、面積、週の長さなど、算数の基礎の勉強をしなければならなくなります。

このあたりがテクニカルな「新しい数学」弱点なのですが、実は、これのほかに、この「新しい数学」本当の最大の欠点があるんです。
これがNZの数学の学力低下を招いている根本的な問題です。

僕、数学の先生なのに言ってしまいます。
そう、何を隠そう数学の中で一番つまらないのが四則演算の計算練習なんですよ(汗)
これって、手っ取り早く体得したほうが子供からしてみたら助かるんです。
でも、だらだら8年もこれにかけられたらたまったものでないんです。
だから、高校生になっても一桁の掛け算をろくに覚えていない生徒がたくさんいるんです。
これは、生徒の質の問題じゃないんです。
数学の教え方の問題なんです。
このたらたら長い計算との戦いは、子供にとったら拷問です。
もしNZの数学の発展を考えたら、インターミディエートでは、少なくとも四則演算を教える場合は「新しい数学」は封印するべきでしょう。
また、小学校でも、ひっ算を教えてから、ほかの便利な技術を入れるべきでしょう。

でも、ぼくはnumeracy projectは、課外学習でやって、数学の授業ではほとんど取り上げない方がいいと感じています。
数学は、ものを考える力をつけるために存在していて、計算力を鍛えるために存在しているわけではないんですから。
数字だけの中に生徒を縛り付けた結果が、今のレベルの低さにつながっているんです。
数学全体で見たら、計算の重要さなんてたいしてないので。
ある程度早く、しっかり正確に計算できればそれでいいんです。

・・・と数学を語り始めると止まらなくなるので、今日はこのぐらいにしておきます(笑)



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6 Comments

  • Name:Hiro
  • 確かにニュージーランド人の数学力の低さには驚愕することが多いですね。僕のようにコテコテ文系人間ですら彼らよりずっと早く暗算ができる・・・。答えを早く出すよりもコンセプトを教えたいというのは分かる気もするけど、自分の子供に『新しい数学』を教えられると微妙に迷惑かなあ。(笑)
  • 2017/11/04 12:50 | URL 
  • Name:leader
  • 「新しい数学」が「楽しい数学」であればいいのですが・・・。
    実質ipad等でゲームをやらしたり、数字を使ったゲームをしたりすることはあっても、数学で楽しいって感覚はたぶん先生を含めて知らないんだと思います。
    高校では微分積分までやるので・・・。
    まぁ、数学はある程度のレベルまで取れてないと微分積分は取れない仕組みになってるようですが、日本のゆとり教育とかよりもはるかにかなりの部分を削って教えてるにもかかわらず、基礎レベルにすら追い付けない理由は、生徒の質ではなく、絶対に教える仕組みにあるんですよね。
    かなり膿がたまってますよ(笑)
  • 2017/11/04 16:16 | URL 
  • Name:Hiro
  • 確かにテクノロジーやゲームを導入すると『新しい』『楽しい』ことをしている気分がしてしまいますが、やっぱり気分だけの問題ですね。(笑)僕の息子はこちらの10歳児位の計算はすでにできるのですが、学校の先生にどうやってこれを更に伸ばしてあげられるか聞いたら、「これから新しい数学が導入されるから、先取りはしない方がいい。」と言われました・・・。「先取り」じゃなくて、彼独学で学んだから、それを伸ばしてあげたいという親心だけなんですねどね。やれやれ。
  • 2017/11/05 08:24 | URL 
  • Name:ふにゃこ
  • 現状の、中学高校の先生たちの数学もけっこうひどいものがあるので、その状況で新しいテクニックを入れて、だれが使いこなせるのか心配ですね・・。
    数学の面白さ、というお話をされていますが、本当にそうだと思います。数学にしても、科学にしても、勉強って楽しいし、好奇心を持って世界をながめると不思議がいっぱいで魅力的、という視点で授業を進めている先生が少ないです。勉強はつまらないけど、やらないといけないから、仕方なくやろうね、ゲームの宿題もあげるからちょっとは楽しいよ、という雰囲気がありありで・・・そういうシステムが出来上がってしまっている気がしています。
  • 2017/11/05 15:19 | URL   [ 編集 ]
  • Name:leader
  • 今度、僕、見ますよ。
    どのぐらいで来ているかを見て、次何をやると算数が楽しめるかを与えればいいわけなんで。
    現地の先生に遠慮なく、ガツガツ先取りしてしまってください!(笑)
  • 2017/11/05 18:41 | URL 
  • Name:leader
  • 数学がもともと楽しい、という印象を先生方がもっていないんでしょうね。
    こんなに癖になる面白さがたくさん詰まっているんですが・・・。
    今でも僕はハマっているのに・・・。
    なんでその面白さを伝える指導方法を研究しないのかが本当に疑問です。
  • 2017/11/05 18:43 | URL 

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